いにしえを振り返り、今を感じ、未来を予感する
未来を見据えるとき、新たな旅立ちを決意するとき、私たちはいにしえを振り返る。歩みを止め、歩んできたわが道の軌跡を確かめ、今から歩む行くべき道の正しさを知るために。万物すべからく現在(いま)に繋がる過去をもつ。過去は私たち個人だけでなく、人類の未来を示す羅針盤でもある。
百年以上の歴史をもつ熊本大学のキャンパスは、緑豊かな環境の中に、深淵の歴史を刻む重要文化財の建造物やその間蓄積された研究資源となる貴重な学術資料を多数有しています。キャンパスの木々や校舎の一つ一つが、この学舎に集い、学問を研鑽し、スポーツに励み、友情を育んできた若者たちの青春の舞台でもあり、一歩キャンパスや建物に踏み入ると、彼らの息吹を感じることができる空間が広がっています。
熊本大学は、このすばらしい空間と歴史を地域の方々や世界の人々と共有するため、キャンパスミュージアムづくりを計画しました。大学とは「知の遊びと学びの空間」であり、各キャンパスでは日々「知」の創造が行われ、人類の平和と幸福に貢献するための活動が続けられています。
そこにはまさに人類の進むべき方向を示す羅針盤があります。ぜひ熊本大学キャンパスを訪れ、熊本大学の成り立ちと永年にわたり蓄積された「人類知」を学び、本学のすばらしさを知っていただくとともに、世界各地から集まった学生や研究者とふれあい、共に皆さんと人類の過去と未来について語り合いませんか。
熊本大学長 小川 久雄