五高の教室棟として、1888(明治21)年2月に着工し、1年半の月日を要して1889(明治22)年8月に完成した。煉瓦を積み目地の漆喰で接着した組積造で、庇や建物内部には西洋風の装飾が施されている。建築は文部省の直轄工事として行われ、文部技師山口半六、久留正道が設計・工事を監督した。旧制高等学校の現存する建物としては、最も古いものの一つ。
本館2階廊下
通称「赤門」と呼ばれている五高の表門。五高本館と同じ時期に建設された。煉瓦と自然石を組み合わせた親柱と袖壁からなり、旧豊後街道(現県道337号)に面してその威容を見せている。
当初から門扉は作られず、門内には畑もあったようで、夏目漱石の句に「いかめしき門を入れば 蕎麦の花」と詠まれた。
表門の当初図面(明治22年頃)
本館と同じ時期に建設された煉瓦造りの建物。内部には階段教室、薬品室、実験室が一列に並んでおり、実験室の設備としてランプの上昇気流を利用した排気装置「ドラフトチャンバー」を備えている。旧制高等学校時代の化学実験場として完全な形で残っている唯一の建物。
階段教室
熊本高等工業学校の機械実験工場として1908(明治41)年竣工した。文部省技手による設計。熊本大学に引き継がれ、1970(昭和45)年に新工場ができるまで実習施設として使用された。館内には明治から大正期にかけて購入された極めて貴重な11台の機械が動態保存(動く状態で保存)されており、建物と共に重要文化財となっている。
内部