令和5年11月1日(水)~12月20日(水)熊本大学化学実験場にて開催中の、熊本大学キャンパスミュージアム企画展「恐竜化石コラボ展―熊本大学による調査・発掘と博物館の立ち上げ―」の特別企画として、12月2日(土)・3日(日)に国立科学博物館副館長である真鍋真先生をお招きして講演会を開催いたしました。
12月2日は、主に恐竜好きの子供や御家族を対象とした内容で、演題「絵本から始める最新恐竜学」が2時間ほど行われました。前半は「せいめいのれきし」(バージニア・リー・バートン さく)や小学校の教科書にも掲載されている「とりになったきょうりゅうのはなし」(大島英太郎 さく)などの絵が紹介され、その中で恐竜の特徴や恐竜から鳥への進化などについての解説があり、後半は最新の研究成果などについて、真鍋先生が監修された恐竜博2023の図録や論文などの美しい写真やデータにもとづく恐竜研究についての説明がありました。真剣なまなざしで話を聞く子供たちの様子や講演後の多くの的を得た質問が印象的で、質疑応答後は真鍋先生のサインや写真撮影などを求めて長い列ができました。
12月3日は、化学実験場の階段教室で「進歩する恐竜学 明治時代から現代、そして近未来」が午前と午後に1回ずつ開催されました.明治時代の講義室の中で、黎明期の恐竜研究の様子と恐竜の復元図・模型などが紹介された後、比較解剖学分野のデータにもとづく恐竜の古生態復元や分類学的な研究、CTスキャナやシンクロトロンなどの最新の研究機器を用いた研究例などが紹介されたほか、白亜紀末の隕石の衝突による大量絶滅やアルゼンチンでの恐竜発掘調査の成果など,真鍋先生が直接関わられている研究についての紹介や成果報告がありました。この講演は、主に大学生と一般の方を対象に開催されたのですが、午前中は小中高校生や親子連れの姿も多く、講演後は前日と同様に多くの質問がありました。また講演会後に改めて恐竜化石コラボ展を見学される方や展示標本の説明を真鍋先生から受けている方も見られました。
講演後のアンケートでは、「子供から大人まで年齢を問わずワクワクするような講演でした。」「真鍋先生の分かりやすい説明のおかげで、恐竜に関する知識が浅い人にとっても理解でき、非常に面白かったです。」「恐竜学の第一人者である真鍋先生の講演を直接聞ける、貴重な体験でした。」「今後もイベントに参加したいと思いました。」といった感想が寄せられ、有意義な講演会となりました。
12月2日講演会
12月3日講演会